糖質制限は不妊治療に◎胚盤胞到達率を上げ妊娠しやすい体へ!
2016/04/08

米国から糖質制限と体外受精治療との関係について、興味深い研究結果が発表されました。
日本でも低糖質の食事が注目されて長くなってきましたが、妊娠にも影響があるとは!
今回は、妊活中の人必見の糖質と妊娠についてお伝えします。
もくじ
糖質制限は不妊治療中にも有効!
以前、夫のダイエットに付き合いゆるく糖質制限をしていた私ですが、体外受精治療を始めてからはそちらに集中してしまい、食生活はかなり適当になっていました。
お昼ご飯はパスタやお好み焼き、丼ものなど、炭水化物しか食べていないという日も…。
体外受精治療をすれば、食べ物など気をつけなくてもすぐに妊娠すると思っていたんですよね。
ですが、そんなに甘くありませんでした…。
先日、本を読んでいたら不妊治療と糖質制限との関係について興味深いことが書いてあったのでこちらを紹介します。
糖質制限で胚盤胞到達率が改善された!
胚盤胞とは、受精した胚の分割の進み具合を言います。
受精卵は、細胞分裂を繰り返し、初期分割胚→桑実胚→胚盤胞と成長していきます。
胚盤胞の状態になってからようやく子宮内膜に着床できる状態になります。
体外受精では胚盤胞まで育ててから移植した方が、より高い妊娠率が期待できます。
現在は技術が発達し、多くの病院で胚盤胞まで培養することができるようになりました。
ただし、長期的に培養すればすべての受精卵が胚盤胞まで到達するわけではありません。
クリニックによって治療実績が違うのですが、私の通っているクリニックでは受精卵の3割程度が胚盤胞まで到達していると説明されました。
前置きが長くなりましたが、糖質制限で胚盤胞到達率が上昇したという研究結果が発表されました。
2012年発表のもので、アメリカのデラウェア州の病院にて、35歳未満の12人の患者を対象に2ヶ月間の食生活改善指導をしました。
指導したのは、たんぱく質、糖質、脂質の摂取バランスです。
たんぱく質の摂取カロリーを16%増加させ、3大栄養素に占める割合は15%→27%になり、反対に糖質は平均22.3%減少し、割合は48.6%→40.1%に減りました。
糖質を減らし、たんぱく質を増やす食生活に変えたのですね。
結果、成熟卵の数や胚盤胞到達率を前回の治療と比較したところ、胚盤胞到達率は18.9%(20/106)から45.3%(48/106)へと向上したそうです。
この結果はすごいですね!
到達率が2倍以上になっています。
被験者の数が12名とデータが少ないのは気になりますが、たった2ヶ月間の食生活の改善で胚盤胞になる確率が上がるのなら、これはやってみる価値があるのではないでしょうか。
糖質制限といっても、 3大栄養素の40%の糖質をとって良いわけですから、全くストイックではありません。
糖質制限で妊娠しやすい体になる理由
ではなぜ糖質制限で胚盤胞まで卵が育ちやすくなったのでしょうか。
それは、糖質を摂取した時の血糖値の動きと関係があると考えられます。
糖質過多は冷えの一因
糖質は体の中に入ると、血液中の糖が増え、血糖値が上昇します。
糖質の摂取量が多い場合、血糖値が急激に上昇してしまい、血糖値を下げるために大量のインスリンというホルモンが分泌されます。
インスリンによって血糖値が急激に下がりますが、食事のたびにこの血糖値の急激な上昇と下降を繰り返すことで、インスリンの分泌がコントロールできなくなってしまいます。
血糖値のコントロールが出来ない低血糖症の状態ですね。
低血糖症は冷えとも関わりがあるとされています。
食事により血糖値が上がると、インスリンが大量に分泌され血糖値が下がりますが、下がった血糖値を再び上げようとするホルモンが大量に分泌されます。
アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾール、甲状腺ホルモンなどです。
繰り返される大量のホルモン分泌は、自律神経や体温調節機能に影響を及ぼすとされています。
たんぱく質で体の組織をつくる
上記の研究結果で注目すべきは、糖質の量を減らしただけではなくたんぱく質の量を増やしていることですね。
たんぱく質は筋肉や血、内臓など体を作るうえで大切な栄養素です。
たんぱく質をしっかりとることで、筋肉が付きやすくなり、筋肉の力によって足先など末端へも血が巡りやすくなります。
糖質制限をすると冷え性が改善される人が多いのはこのためですね。
糖質制限を妊娠希望者が行うときの注意点
糖質制限によって生理が止まってしまう人がいます。
これは野菜ばかり食べて、たんぱく質や脂質が不足しているためだと考えられます。
たんぱく質といっても大豆などに多く含まれる植物性たんぱく質だけでは不十分です。
しっかり肉や魚などから動物性たんぱく質の摂取しましょう!
糖質を減らす時は、必ず肉や魚の量を増やさないと、エネルギー不足になってしまいます。
たんぱく質は、肉や魚、卵などに多く含まれ摂取しやすいと思います。
まとめ
糖質制限といっても、ご飯の量をゼロにしなければいけないわけではありません。
急激な食生活の変化で体調を崩す人もいます。
紹介した研究結果にもあるように、糖質の量をまずは20~30%減らし、その分、たんぱく質をしっかり摂って、健康的に糖質を減らしていきましょう。